ファジィ推論のチャートのテクニカル分析への応用の-工夫
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概要
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ファジィ推論の,証券価格チャートのテクニカル分析への適用が進められている.従来のファジィ推論方式は,既に文章化されているノウハウを計算機化する場合に好適であり,ノウハウをファジィルールとして容易に記述できる.しかしながら,テクニカル分析では,専門家が外部環境に応じて継続的にノウハウを変更・追加するため,従来のファジィ推論方式をそのまま適用すると,ファジィルールの変更時に,他のルールを見直す必要が生じるなどの困難を伴う.そこで本論文では,ノウハウの変更・追加と有効性の検証を容易にする,テクニカル分析向きのファジィ推論方式を提案する.提案する方式の特徴は,次の点にある.(1)段階的に知識を定義しながら知識ベースが構築できる.(2)ファジィルールとメンバシップ関数を分離して定義するのが困難なノウハウのため,両者を一体化して同時に定義できる知識表現を提供する.(3)ルールベース推論で用いられる後向き推論が可能である.(4)時系列データの取扱いに適したファジィ変数の記述法により,過去の時系列データを用いたシミュレーションを容易に行える.具体的に債券先物チャートのテクニカル分析支援システムの開発と実用化を通して,利用者がノウハウを容易に変更・追加できること,部分的な推論結果やシミュレーション結果などノウハウの検証に有用な情報が得られることを確認し,提案するファジィ推論方式が有効であることを確認した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-02-15
著者
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