ネットワーク仮想記憶システムにおける宣言的アクセス制御方式
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概要
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我々は分散型密結合システムの構築を目的とし,ネットワーク結合による共有メモリ型マルチプロセッサ構成方式であるネットワーク仮想記億システム(NET-VMS:NETworked Virtual Memory System)方式,およびNET-VMS方式におけるプロセス間通信方式として宣言的プロセス間通信方式を提案している.本論文ではNET-VMS試作ハードウェア分散OSを試作し,宣言的プロセス間通信方式の基礎となと宣言アクセス制御方式による並列マージソートプログラムの処理実験を行った結果について述べる.ネットワーク結合で共有メモリを実現する場合,メモリデータの高速な移動と,共有メモリ管理制御の高速化が重要となる.NET-VMSは各プロセッサの仮想記憶システムを100Mb/s トークンリングネットワークで直接結合し,ハードウェア制御により最大12MB/Sの実効通信性能を実現するとともに,仮想記憶ページごとに設けたメモリ管理用のハードウェアタグを用いて共有メモリ管理の高速化を実現している.宣言的アクセス制御方式はNET-VMSのハードウェアタグ用いることにより,セマフォを用いないプロセス間通信(排他制御,同期制御)を実現する.これらの方式に基づき最大5プロセッサのNET-VMS上でマージソートプログラムのサブルーチンを粒度とする並列処理実験を行い,60%以上の並列処理の台数効果を確認した.実験により提案方式による並列処理の実現性,ならびに宣言的アクセス制御による並列処理プログラミングの容易性を確認できた.
- 1989-12-15
著者
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