土壌中におけるアブラナ科野菜根こぶ病菌休眠胞子の定量法
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概要
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土壌中における根こぶ病菌 (PlasmodioPhora brassicae) 休眠胞子の定量は, これまで長時間の操作と休眠胞子の判別に熟練を必要とした。そこで螢光顕微鏡を利用した簡易な定量法について検討した。汚染土 10g に tween 80 (0.05%水溶液) を混合し, 2〜3時間撹拌した。その土壌懸濁液を32, 60, 120, 200 および 400 メッシュの篩で順次〓過した後, 〓液を遠心分離 (2,500 rpm, 10分間) した。沈澱部を蒸留水に懸濁した後, 再度遠心分離して同様の操作を行い被検液を調製した。被検液を calcofluor white MR2 (0.1%水溶液) と等量混合後, 落射螢光顕微鏡で観察した。休眠胞子は螢光発色し, 微小土壌粒子と明瞭に判別され, 休眠胞子数の定量が可能であった。本定量法は, 休眠胞子濃度 10^5個/g・乾土以上の高濃度汚染土で高い検出精度が得られ, 10^7個の汚染土からの休眠胞子の同収率は100.9±5.0%であった。10^4個以下の低濃度汚染土では検出精度が高濃度の場合ほど高くなかったが, 10^3個付近まで定量は可能であった。本定量法は, 操作と休眠胞子観察の簡易性, 検出精度の点において従来の定量法より優れていると考える。また本定量法は, 異なる5種の土壌に対し適用できた。本定量法を用いて根こぶ病発生圃場における休眠胞子密度を調べた結果, 調査した6圃場全てで10^5個/g・乾土以上の休眠胞子が検出された。
- 日本植物病理学会の論文
- 1987-10-25
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