アブラナ科植物に病原性あるタバコ・モザイク・ウイルス系統に関する研究 : 2. 寄主範囲
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概要
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本邦のアブラナ科植物から分離されたタバコ・モザイク・ウィルス(TMV)の系統, すなわちTMV-C(C)およびワサビ系(W)を他のTMVの系統, すなわちHolmes' Ribgrass系統(HR), Lychnis系統(Ly), 本邦の普通系統OM及びO, ササゲ系統(BC-B)及びそのタバコ型(BC-T)及び06とをアブラナ科(主としてBrassica属), ナス科, ウリ科及び数種のアカザ科, マメ科の植物およびヘラオオバコに接種し, その寄主範囲を比較した。C及びWはアブラナ科18種のすべてにHRは11種, Lyは15種に全身感染した。OMはBrassica属5種に時に全身感染したが, 濃度は低かった。06, BC-B, Oは6種のBrassica属に接種したが, いずれも全身感染しなかった。タバコ品種やその他のNicotiana属植物およびペチユニヤに対してHR, C, WおよびLyなどは多くの場合局所壊疽斑点のみを生じ, 全身病徴を出すものは少なかった。多くのウリ科植物のうち, ツルレイシ(M. Charantia)のみが, 上記4系統のほかOMに対し局所病斑を生じた。インゲン(Ph. vulgaris)にはHR, C, W及びLyは局所病斑を生じなかった。これらの系統はヘラオオバコ(P. lanceolata)に初期病斑を生じ, HR, 時にLyが全身感染した。HR, C, W及びLyの寄主範囲と外被蛋白のアミノ酸組成の類似性から, これら4系統を区別しHR系統群と称することを提案した。
- 日本植物病理学会の論文
- 1974-06-25
著者
-
大島 信行
植物ウイルス研
-
大橋 祐子
農林水産省農業生物資源研究所
-
大橋 祐子
植物ウイルス研
-
梅川 学
植物ウイルス研究所
-
大島 信行
(現)岡山大学生物資源科学研究所
-
梅川 学
技術会議
-
大島 信行
北海道農業試験場
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