Thanatephorus cucumeris (Rhizoctonia solani AG-2-3) によるダイズ葉腐病の担子胞子感染
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概要
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Thanatephorus cucumeris (Rhizoctonia solani AG-2-3) の担子胞子を人為的にダイズ葉に接種すると, 胞子は付着器を形成して角皮より侵入したのち組織内にstroma様菌糸塊を形成した。この菌糸塊より菌糸が組織内を放射状に生育し, 接種6日あるいは7日後にはじめて直径1mmまたはそれ以下の一次病斑を生じた。さらに湿室に保つと, その病斑から葉面に伸び出した菌糸が気孔より侵入し, 周囲に円形〜不定形の二次病斑を生じた。その病斑から葉面に現れた菌糸により感染が繰り返されて, 病斑は大形化した。秋播きコムギ立毛時に間作したダイズ畑では, 感染源のAG-2-3の担子胞子は刈取り前のコムギ茎に多数見られた。圃場でもstroma様菌糸塊を持つ一次病斑とその周囲に不定形の二次病斑とが胞子接種実験と同様な経過で観察された。発病はコムギの刈取り時期が遅れるほど, またダイズの栽植密度が高いほど多い傾向にあった。
- 日本植物病理学会の論文
- 1995-08-25
著者
-
中島 隆
東北農試
-
持田 秀之
九州農業試験場
-
大藤 泰雄
(独)農業・生物系特定産業技術研究機構東北農業研究センター
-
中島 隆
東北農業試験場
-
大藤 泰雄
東北農業試験場
-
内藤 繁男
東北農業試験場
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