オブジェクト指向データベースにおける結合演算方式の実装と性能評価
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概要
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インデックス付けされていないオブジェクト集合に対して, オブジェクトベースハッシュ結合演算方式とオブジェクトベースソートマージ結合演算方式の2つの結合演算方式を提案する. これらは, オブジェクト識別子と可変長キーの概念により, 従来のハッシュ結合演算方式とソートマージ結合演算方式を拡張した方式である. オブジェクトベースハッシュ結合演算方式では, オブジェクト識別子を利用してステージングバッファ内のバケットの多分割を実現し, オブジェクトベースソートマージ結合演算方式では, 実キー値へのポインタを持つソート領域でソート処理を実行する. このようにして, ワーキングメモリサイズを減らすことができる. さらに, 結合演算の前処理として, ポインタ検索方式を提案する. これにより, すべてのオブジェクトポインタを繰り返し遷移するような, 冗長なディスクアクセスを避けることができる. これらの結合演算方式はわずかなメモリ量で実行可能なため, 大量のオブジェクトキャッシュを必要とするオブジェクト指向データベースに有効である. 提案した方式をオブジェクト指向データベース管理システムPERCI0に実装し, そのI/OコストとCPUコストを解析した. ウィスコンシンベンチマークによる性能評価の結果, メモリ量が多い場合には, オブジェクトベースハッシュ結合演算方式がオブジェクトベースソートマージ結合演算方式よりも優れており, メモリ量が少ない場合には, 両方式ともそれほど性能劣化がないことが確認された. さらに, 関係データベース管理システムと比較すると数倍高速であり, 結合キー値のデータ分布に影響しないことも確かめられた.
- 1999-02-15
著者
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