Runge-Kutta系の6段6次極限公式及び6段で数値的に6次の公式
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概要
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常微分方程式の初期値間題y'=f(x,y),y(x_0)=y_0の数値解法の一つの陽的Runge-Kutta公式では,5段以上の場合その段数以上の次数の公式は得られないことが知られている.しかし,関数計算を行うxの分点のうちある二つを近付けた極限で考えると,5段で5次,6段で6次の公式となる.そのような公式は必然的にfの1階の導関数を含むことになる.このように二つの分点を近付けた極限で考えた公式を極限公式と呼ぶ.本論文で一つの一般的な6段6次極限公式を示す.これは5次以上の高次公式誘導の際,普通つけ加えられている付加条件をつけないで導いたもので,従来導かれたものすべてを含む一般的なものである.その結果xの最後の分点が積分の刻みの端の点に一致する場合には,自由なパラメタを二つ含む唯一種類に限ることが証明される.以前導いた極限公式はこの二つの自由なパラメタがある関係式をみたす特別な場合にあたる.ここで導く公式は,自由なパラメタには何の制限もない,そこでこの二つを7次の誤差項の最小化に用いれば打ち切り誤差に関して最良の公式となる.次に,導関数計算を必要としない6回の関数計算だけの6段公式で,この6次の極限公式と数値的に同程度の精度をもつ公式を示す.これは打切り誤差最小の極限公式に基づいているので,打切り誤差に関しても6段で達成できる最も精度の良いものであり,計算の手間の面で効率の良い実用的な公式である.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-10-15
著者
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