処理状態を考慮した並列処理システムのための最適スケジューリング・アルゴリズム
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
複数の処理装置からなる計算機システムにおいて, 個々の処理装置に対して処理状態を定義する. このモデルにおいて, ジョブの平均待ち時間の短縮だけでなく, 処理装置の状態切換え回数を抑える比較的簡単なスケジューリング・アルゴリズムを提案し, 理論とシミュレーションの両方でその有効性を示している. 待つことによって生じる損失と状態切換えによって生じる損失を考え, 両方の和の期待値を最小にする. しかし, 単なる時間平均でなく, 未来の損失ほど影響が小さくなるように指数関数の重みを付ける. タスクを割り当てるには各処理装置の状態を決定する必要があるので, 未来への影響も考えて先読みする. しかし, 確率の導入により, 動的計画法のように複数のパスをすべて調べるのでなく, 平均的な到着を仮定して, 状態を切り換えた場合に減少する損失と, 増加する損失を計算し, その差が一定値を越えると状態を切り換える. このような簡単化により, アルゴリズムの実行に必要な時間は, 最も単純な先着順の場合に比べても, 2〜3倍程度である. 同じカテゴリに属するタスクはまとめて処理するので, 平均待ち時間は少し大きくなるが, 状態切換え回数は小さくなる. このアルゴリズムを用いた時の状態切換え間隔の性質や, 到着率の小さいタスクについての性質を理論的に調べ, 望ましい性質を持つことを示し, さらに, シミュレーションによって処理装置の台数についての結果も示した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1981-05-15
著者
関連論文
- Lorel-2実行システムの構成とそのファームウェア化の効果
- Lorel-2言語について
- 分割アルゴリズムに基づく同型グラフの検索について
- 画像構造線の大域的性質に関する計算機実験とその考察 (パターン情報処理)
- 正規集合の構造母関数の特性化
- 自然言語に基づく静的システムの仕様のプロトタイププログラムへの変換手法
- 自然言語と図を用いた仕様記述言語の構造化エディタの開発
- 代表記号列集合による決定性有限オ-トマトンの適応的修正法
- 決定性一般化順序機械の代表入出力記号列集合(技術談話室)
- 決定性有限オ-トマトンの代表記号列集合
- 整合関係を考慮した記号列パターン識別オートマトンの構成および適応的修正 (時系列パターンの認識システムの研究)
- 論理関係処理言語LOREL-1
- 文脈自由形言語における記号列の数え上げ
- 決定性プッシュダウン変換器の等価性判定について
- 14-8 画像のモデリングと3次元情報の抽出
- 自然言語の語彙分割による形式的仕様記述
- 直交変換とその逆変換の逐次修正処理と幾何学的特徴抽出
- カラー画像の直接修正法とデータの妥当性
- カラー画像処理・描画システムの研究開発
- 曲面の分割と1次元的な曲面構成法について
- 直交変換によるテレビジョン信号のPCM方式
- 幾何学的に不変な特徴に基づく画像の合成と認識
- 並列処理システムのための言語について
- 処理状態を考慮した並列処理システムのための最適スケジューリング・アルゴリズム
- 高速のアドレス割当て機能を持つマイクロプログラミング・システム
- 画像の本質
- 1976 Picture Coding Symposium
- 2)直交変換によるテレビ符号化方式(第6回 固体画像変換装置研究委員会)
- 18)ベクトル場によるカラー画像の特徴抽出(画像通信システム研究会)
- 産業構造とソフトウェア技術
- 人工知能学会発足によせて : Kins Instituteの発想
- ベクトル場によるカラー画像の特徴抽出
- ベクトル場概念による画像の統合処理
- 2)直交変換によるテレビ符号化方式(第6回 テレビジョン伝送研究委員会)