記号間の力学に基づく概念マップ生成システム SPRINGS
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概要
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本論文では,空間的知識表現とその生成方式,およびその実験システムSPRINGS(SPatial knowledge Representation generatING System)について述べる.従来研究されてきた知識表現手法のほとんどは,属性が既知であることを前提としているが,たとえば,分類作業の初期段階においては属性が未知であることが多く,これらの手法は適切であるとは言えない.SPRINGSは属性を用いずに非類似度(似ていないほど大きな値をとる非負の実数)に基づいて記号の配置,すなわち概念マップを生成する.SPRINGSはバネからなる力学系をモデルとしており,ユーザが類似概念を表す記号間にその非類似度に応じた自然長のバネをつなぐと,力学的エネルギーが極小となるような概念マップが生成される.この概念マップでは,類似概念を表す記号ほど近くに配置されるこのように記号を空間的に表現することにより,言葉では表しにくい概念も表現することができる.また,分類作業の初期段階を支援することができるSPRINGSは力学系をモデルにしているので,ユーザにとってなじみやすい.ユーザは非類似度の重要度や記号の初期位置の重要度を設定することもでき,これらはそれぞれバネ定数と動摩擦係数に対応している.また,ユーザが簡単に試行錯誤できるように設計されている.実際に,SPRINGSを用いて分類を試み,その有効性を検証した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-04-15
著者
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