可変歩幅DDAによる3次元メモリ空間での高速なボクセル追跡 (<小特集>サイエンティフィック・ヴィジュアライゼーション)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本論文は,3次元状の計測データや計算結果を高速に立体描画するための光線追跡手法に関するものである.3次元ディジタル物体の格納されている3次元メモリ空間に対し空白部分を階層表現するピラミッド構造の3次元メモリを導入して,歩幅を変える3次元DDAにより高速にボクセル追跡を行うハードウェア向きの立体画像生成法を提案する.3次元メモリ空間(キューブ)において光線が通過するボクセルを欠落なく生成するのは,画像をより正確に生成するためであったが,ピラミッド構造キューブにおいては,上層キューブでのわずかなボクセルの欠落が下層キューブでは大きなボクセル列の欠落誤りを起こすので,特に重要になる.本文では,ピラミッド構造のキューブに対して光線が通過するボクセルを欠落なく生成する可逆歩進型の3次元DDAを適用して,可変歩幅でポクセル追跡するハードウェア向きのアルゴリズムを導出している.次に,でこほこなディジタル物体表面を滑らかに立体描画するために法線ベクトルの算出法が重要なので,物体の表面近傍に存在濃度を設定しその濃度分布の勾配から法線を算出するハードウェア向きの手法を示す.最後に,コンピュータシミュレーションにより人体などの滑らかに陰影付けされた立体画像を生成し,画像生成時間の比較例を示す.可変歩幅3次元DDAにより高速化が図れる.ピラミッド構造キューブの付設に必要なメモリ容量の増加はわずかでよいことに留意する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1991-05-15
著者
関連論文
- VLSI向きの極少数方向投影によるウェーブレット部分画像再構成
- I-031 音波による河川の流速分布のリアルタイム可視化(I分野:グラフィクス・画像)
- 分散演算を用いた高次FIRフィルタの高性能VLSIアーキテクチャ
- 低次元分解に基づく分母分離形2次元状態空間ディジタルフィルタ用高性能VLSIアーキテクチャ
- 連続な直線が通るすべてのラスタ要素を求める高速DDAアルゴリズム
- ディジタル直線の標本化誤差を考慮した組合せハフ変換の改良
- だ円検出問題に対する組合せハフ変換の有効性について
- 計算機ホログラムとX線計算機断層法を統合した3次元可視化
- 産業用実時間3次元CTの画像再構成プロセッサ
- 傾斜スキャンによるX線投影データ取込みと3次元画像再構成の実験
- 感温磁性薄膜光センサの作製と基礎特性
- スパッタリングによる感温磁性フェライト薄膜センサ素子の作製
- 感温磁性薄膜センサーの作製と基礎特性
- 電気的手法による飲料水評価システムの基礎特性(電子部品・材料,及び一般)
- C-023 マルチボディモデルによる多関節ロボットアームのシミュレーション設計法(C分野:アーキテクチャ・ハードウェア)
- 左手系媒質によるボウル型レンズ
- 2次元標本化モデルと特異値分解によるX線CT画像再構成アルゴリズム
- 3角標本化と分割処理による高速な画像再構成アルゴリズム
- Waveletを用いた超音波による画像再構成法の検討
- 3方向または4方向投影から加速器ビーム断面強度分布を高速に画像化する一手法とその仕組
- 穏やかな2次元濃度分布の線形計画法による非破壊検査
- 可変歩幅DDAによる3次元メモリ空間での高速なボクセル追跡 (サイエンティフィック・ヴィジュアライゼーション)