プロトタイプベースオブジェクトファイルシステム
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概要
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本論文ではまず, オブジェクト指向の大規模シミュレーションのためにはオブジェクト指向実行環境が必要であるとの考えから出発し, そのためのオブジェクト指向ファイルシステムの開発の必要性を指摘する.そこで, 現用の階層構造を持つファイルシステムをオブジェクト指向化する方針とその具体的な方法論として, UNIXのファイルシステムに対してプロトタイプベースオブジェクトの概念を用いることを提案した.そしてこれを実現するために, ファイルシステムのディレクトリをオブジェクトとするカプセル化, ディレクトリ単位の情報隠蔽を実現するアクセス制限機構, ディレクトリの合成をともなう委譲リンク, セルフディレクトリの概念を新たに提案し, 実際にUNIXファイルシステムとの上位互換性を持つPBO-FS(Prototype-Based Object File System)の設計と実装を行った.また, このPBO-FSをオブジェクト指向による流れの数値風胴シミュレーションに応用し, 実用的なシミュレーション環境が実現可能であることを確認した.このPBO-FS自身とその応用例を他の研究と比較した結果, プロトタイプベースオブジェクトの概念をファイルシステム上で実現するという本研究の手法が新規なものであるとの結論を導き出した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1998-09-15
著者
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