ドメインモデルに基づくソフトウェア再利用に関する一実験

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ソフトウェアの生産性向上や信頼性向上は現在大きな課題となっており,その対策の一つとしてソフトウェアの再利用が注目されている.本研究では,適用ドメインの概念に着目したドメインモデルを蓄積し,そこから仕様を抽出し,さらにプログラムを自動生成するためのSoftReuseシステムを試作した.SoftReuseシステムでは,ドメインモデルの記述に,ERモデルをベースとした非手続き型の仕様記述言語PSDLを用い,大規模ソフトウェアへの対応として階層的なサブジェクトを組み合わせている.利用者は画面に図的に表示されたドメインモデルを見ながら,対話的に作成対象プログラムの仕様を抽出することができる.そして,抽出されたプログラム仕様はコンパイラによって,CまたはC++プログラムへ変換される.本論文では,このSoftReuseシステムの概要について述べるとともに,実際の社会保険システムを対象としたソフトウェア再利用実験について報告する.実験の結果,適切な支援のもとで,ドメインモデルの利用がソフトウェアの生産性を改善する効果があることが明らかになった.また,本方式の再利用プロセスでは,ドメインモデルの理解にもっとも時間がかかることが明らかになった.したがって,より一層の生産性向上のためには,理解性のすぐれたドメインモデルを記述すること,またドメインモデル理解を支援する手法やツールを開発することが重要であることがわかった.
1995-05-15

ドメインモデルに基づくソフトウェア再利用に関する一実験

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