型付き素性構造の差分演算
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概要
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本論文では,型付き素性構造の差分演算を提案し,形式的な定義を与える.型付き素性構造は,制約に基づく言語理論で用いられる素性構造の拡張された概念である.型付き素性構造の集合には,その表す対象の集合の包含関係を表す半順序関係が定義され,この半順序関係から2つの束演算,単一化(最大下界)と汎化(最小上界)が定義される.2つの型付き素性構造が与えられたときに,単一化が少なくとも一方が表す情報を集積し,集積結果の無矛盾性の判定などを行うのに対して,汎化は双方が表す共通情報を抽出する.本論文では,第3の演算として差分演算を定義する.この演算は,表す情報に包含関係が成り立つ2つの型付き素性構造が与えられたときに,情報の少ない方と単一化することにより情報の多い方を得ることができる型付き素性構造の中で情報が極小のものの1つを与える.本論分では,この差分演算を形式的に定義し,その存在を構成的に保証し,計算方法を示す.型付き素性構造の差分演算には,汎化演算との組合せによる型付き素性構造を用いた言語情報記述の階層化などの種々の応用がある.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-01-15
著者
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