(67)BNYVVの外被タンパク質遺伝子を導入した形質転換体の解析
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概要
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筆者らは,Beet necrotic yellow vein virus(BNYVV)の外被タンパク質(CP)の読み過ごし領域(54k)を導入したNicotiana benthamianaは,高頻度でBNYVV対して強い抵抗性と回復性を示すこと,そしてこの強度抵抗性は,トランスジーンのRNAサイレンシングでおこり,回復現象はウイルス感染によって誘導されるRNAサイレンシングによっておこることを報告した.今回,CPを導入した形質転換体について解析を行った.形質転換体20系統についてBNYVVを汁液接種した結果,19系統は非形質転換体と同様,2週間以内にモザイク症状を示し,1系統(CP20)のみが抵抗性を示した.CPの蓄積量と抵抗性との間に相関はみられなかった.CP20系統では,非形質転換体と比べて,感染率がやや低く,全身症状の発現が1〜2週間遅れた.ノーザンおよびサザン解析の結果,CP20系統の抵抗性はRNAサイレンシングによると推定された.CP導入植物では,54k導入植物でみられた強度抵抗性及び回復現象を示す植物は得られなかった.以上から,BNYVVのCPおよび54k導入植物における抵抗性の機構を考察する.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
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近藤 秀樹
岡山大資生研
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玉田 哲男
岡山大資生研
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アンディカ イダ
岡山大資生研
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Andika I.
岡山大資生研
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近藤 秀樹
岡大資生研
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玉田 哲男
岡大資生研
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アンディカ イダ
岡大資生研
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近藤 秀樹
岡山大学資源植物科学研究所 植物・微生物相互作用グループ
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Andika I.
岡山大 資源生物科研
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