(57)AtMT法によるウリ類炭そ病菌の形質転換系の展開を利用した脂肪酸代謝能欠損株の分離とGFP発現菌株の作出

概要

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演老らはウリ類炭そ病菌Colletotrichum lagenariumの形質転換法としてAgrobacterium tumefaciens-mediated transformation(AtMT)法を確立してきた.今回,本法におけるacetosyringone濃度とA.tumefacines系統間での形質転換効率を検討した結果,acetosyringone50μM,A.tumefacines C58C1系統の条件で最も高い形質転換効率が得られた.また,病原性への関与が推定されるペルオキシソーム関連遺伝子をターゲットにしたポジティブスクリーニングを試み,Triazole添加培地上で生育した菌株から,脂肪酸代謝能の低下または欠損が見られた8菌株を選抜した.また,これらの5菌株について宿主植物に対する非病原性を確認した.一方,本法を利用してGFP発現菌株の作出をC.lagenariumとFusarium oxysporum f.sp.spinaciaeについて試みた.GFP発現カセットを含むバイナリーベクター(pBI-G3eGFP)を導入したA.tumefacinesを用いて形質転換を試みた結果,両菌からハイグロマイシン耐性形質転換株が得られ,それらの蛍光顕微鏡下における緑色蛍光発現を確認した.
日本植物病理学会の論文
2003-02-25