(34)体細胞和合性が一致する日本各地由来イネ紋枯病菌の遺伝的類縁性
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概要
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イネ紋枯病菌Rhizoctonia solani AG-1(IA)の分離菌株では,採集地点が数百km以上離れていてもごく稀に体細胞和合性が一致することがある.北海道,東北,北陸,中部,近畿,四国および九州地域より採集した本菌種50菌株について1225組の対峙培養をおこなった結果,15組で親和性反応を示した(石川ら,1999年度大会),これらの組より10菌株を選出し,体細胞和合性をより詳細に調べたところ,菌株によって複数の菌株と親和性反応を示すものや,反応が不明瞭な組合せが認められた.これら菌株群の遺伝的類縁関係を調べるため,RAPDおよびマイクロサテライト配列を利用したPCRによるDNA多型解析を行なった.PCR産物の電気泳動像は,用いるプライマーにより全菌株を通して共通,部分的に共通あるいは大きく異なる等様々であった,また体細胞和合性が一致する菌株同士では,多くの場合DNA増幅パターンがほぼ一致したが,異なる場合もあり,イネ紋枯病菌における体細胞和合性は,遺伝的類縁性を反映するものと,一部反映しないものがあると推察された.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
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