オオムギ子葉鞘細胞における誘導受容性および拒否性(XVI)うどんこ病菌Blumeria graminis f. sp. hordei 接種子葉鞘から抽出された受容性関連因子
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概要
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Blumeria (syn. ErysiPhe) graminis f. sp. hordei (病原菌)がオオムギ子葉鞘細胞に感染する過程で起こる, 受容性誘導に関連する化学的因子について検討した。B. graminis 接種後0, 6, 12, 18時間目および非接種子葉鞘から低分子水溶性の粗抽出物を調製した。異なる濃度の粗抽出物液で処理した子葉鞘におけるE. pisi(非病原菌)の吸器形成率を調べ, それぞれの抽出物の受容性誘導活性を検定した。その結果, B. graminis接種後18時間目の粗抽出物で処理した子葉鞘でのみ16%以上のE. pisiが吸器を形成し, 高い活性が認められた。この結果からB. graminis 接種後18時間目までに子葉鞘中に受容性誘導に関連する化学的因子が生産されていることが示された。粗抽出物を薄層クロマトグラフィーで分画したところ, 接種後18時間目の抽出物中に, 紫外線照射およびニンヒドリンに陽性反応を示す特異的な因子(Rf=0.61)が存在することが明らかになった。この因子を含む画分およびその他2画分からの溶出物には受容性誘導活性が認められた。これらの画分に含まれるいくつかの因子が受容性誘導に複合的に関与していると考えられた。
- 1999-04-25
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