(33)各種微量要素がイネ諸菌核病菌の生育に及ぼす影響について
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概要
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植物の生育に必要なB,Cu,Fe,Mo,Mn,ZnおよびSiの7種類の微量要素を用いて,イネの紋枯病菌,褐色菌核病菌,灰色菌核病菌および赤色菌核病菌の生育に及ぼす影響を検討した.各菌種とも5菌株を使用し,主にグルコース・アスパラギン培地上で,28℃,14日間培養し乾燥菌体重を求めた.微量要素の1ppmおよび100ppm添加下で各菌種内の菌株間で生育状況を比較したところ,微量要素の生育に及ぼす影響は,各4菌種とも5菌株間で大きな差異が認められなかった.菌種間では,紋枯病菌,褐色菌核病菌および灰色菌核病菌の3菌種は,微量要素の影響がほとんど同じ傾向であり.B,Cu,MoおよびMnの4種類の微量要素によって生育が20〜60%抑制され,Znによって生育が70〜90%と著しく促進される場合があった.一方,赤色菌核病菌の生育はZnで約30%抑制された.次に,菌の生育に及ぼす微量要素濃度(0.01〜100ppm)の影響については,B,Cu,Fe,MoおよびMnのように濃度が高くなるにつれて生育が抑制される場合や,Znのように0.1〜10ppmで生育が促進される場合などがあった.これらのことから,植物の微量要素がイネの菌核病菌の生育に大きく影響していることが明らかとなった.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
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