(13)ナシ黒斑病菌の生産するAK毒素とその類縁体の宿主特異的作用に関する電子顕微鏡解析
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概要
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ナシ黒斑病菌の生産するAK毒素の活性作用機構を解明するため,毒素I(AK1)およびII(AK2)とその構造を化学的に改変した類縁体(AKA19とAKA30)の計4種の化合物をニホンナシ葉に処理し,壊死斑形成活性を測定するとともに葉の構造変化を電顕解析した.壊死斑形成について,AK1,AK2,AKA30は各々5×10^<-9>M,1×10^<-7>M,4×10〜<-7>Mの濃度で感受性葉のみに最小壊死を形成させたが,AKA19の場合,高濃度(1×10^<-4>M)処理によっても壊死は形成されなかった.次に,毒素および類縁体を高濃度(AK1:1×10^<-6>M,AK2:1×10^<-4>M,AKA30:5×10^<-4>M,AKA19:1×10^<-4>M)で感受性と抵抗性葉に処理し,原形質連絡糸における原形質膜陥入の頻度を経時的に計測した.その結果,AK1,AK2,およびAKA30を処理した感受性葉のみで膜片とカロース蓄積を伴った膜陥入が認められた.しかし,AKA19を処理した感受性と抵抗性葉では膜陥入は認められなかった.この結果からAK1のアミノ酸部分は活性発現に関わり,共役トリエンカルボン酸部分は活性の強さに関係することが推定された.
- 2003-02-25
著者
-
清水 直人
神戸大院自然科学
-
鳴坂 義弘
神戸大院自然科学
-
朴 杓允
神戸大院自然科学
-
朴 杓允
神戸大院農
-
細木 直樹
神戸大院自然科学
-
新山 雅人
京都大院応用生命科学
-
宮川 恒
京都大院応用生命科学
-
細木 直樹
神戸大農
-
清水 直人
神戸大農
-
鳴坂 義弘
神戸大院
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