(32)リンゴ小球形潜在ウイルス(ALSV)感染性cDNAクローンのウイルスベクターへの改変
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概要
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リンゴ小球形潜在ウイルス(ALSV)感染性cDNAクローンを外来遺伝子発現用ウイルスベクターに改変するため,RNA2がコードする42Kタンパク質(42KP)と外被タンパク質(Vp25)間のプロテアーゼ切断部位(Q/G)の近傍アミノ酸(3〜19個)を反復し,さらにこれら反復配列の間にGFP遺伝子を導入した.GFP導入RNA2cDNAクローンをRNA1の感染性クローンと共にChenopodium quinoaに接種した結果,42KP/Vp25プロテアーセ切断部位(Q/G)前後5アミノ酸以上を反復したクローンで感染が認められ,GFPの蛍光が観察された.これらの結果から,42KP/Vp25のプロセッシングには切断部位(Q/G)前後5アミノ酸以上が必要であると考えられた.感染葉試料をC.quinoaで継代接種し,導入遺伝子の安定性を調べたところ,5アミノ酸反復クローン(pER2L5R5GFP)では9代継代接種してもGFP蛍光が観察され,安定してGFP遺伝子を発現することが明らかになった.以上から,ALSVを外来遺伝子発現用ウイルスベクターとして利用できると考えられ,今後はリンゴでの外来遺伝子発現とその安定性を解析する予定である.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
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