(18)オウトウから分離されたクローバ葉脈黄化ウイルス
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概要
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青森県南郷村で採取したオウトウ葉を0.1Mリン酸緩衝液(2%ニコチンを含む)と共に磨砕後Chenopodium quinoaに汁液接種したところ,接種葉および上葉に退緑〜壊死斑点を生じるウイルス(Ata2)が分離された.C.quinoaで単病斑分離(5回)後のウイルスを供試して,Ata2の宿主城を調べたところ,6科17種の植物に感染した.感染C.quinoa葉からは長さ約800nmのやや屈曲したひも状ウイルスが精製された.本ウイルスは約9kbのRNAと36kDaの外被タンパク質から構成されていた.精製試料から抽出したウイルスRNAを鋳型にオリゴdTプライマーを用いてcDNAを合成し,ゲノムの3'末端領域のcDNAクローン作製後,塩基配列(約600塩基)を解析したところ,Clover yellow vein virus (CIYVV)-RNAの3'末端領域と96%の相同性が認められた.以上の結果から,Ata2はCIYVVと同定された.オウトウにおけるCITVVの報告は初めてであり,今後オウトウに対する病原性と発生状況を調べる必要がある.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
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