日本で発生したニンジンしみ腐病 (2) 培養と同定
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概要
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千葉県産のニンジンしみ腐病罹病株から同一とみられる多数の Pythium 菌が分離された。その代表の2菌株 (A-1 と A-4)は, ニンジンの根だけに病原性を有し, 菌糸の生育速度は非常に遅い。PDAやコーンミール培地上でのコロニー半径 (1日当り)は最適温度の28 C 下で 8 mm にも達しない。胞子のう (hyphal swellings) は球形, 亜球形あるいは落花生形で, PDA ほか各種培地上でたやすく形成するが, 遊走子のうや遊走子は観察できなかった。雌雄同菌糸性がほとんどで, 雄精器は通常1〜2個, まれに3〜4個が各蔵卵器に付着する。雄精器細胞は, 棉棒状, かぎ型など様々な形をし, 外壁の一部に切れこみやくぼみを有する。卵胞子は未充満で, 卵胞子膜は薄い。本菌は, 生理的および形態的特徴から, Pythium sulcatum Pratt and Mitchellと同定した。
- 日本植物病理学会の論文
- 1986-04-25
著者
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