JavaMLを用いたクラス設計メトリクス測定ツールの開発とその利用(<特集>次世代移動通信ネットワークとその応用)

概要

論文の詳細を見る
オブジェクト指向設計・開発において,クラス設計は最も重要な要素である.そのためのメトリクスとして,"パブリックなインスタンスメソッドの数","クラス階層の深さ"といった10種のメトリクスが知られている.これまでにC++やSmalltalkを開発言語としたソフトウェア開発プロジェクトに対しては,各メトリクスの測定・解析が報告されている.本論文は,現在主流となりつつあるJava言語についてクラス設計メトリクスの測定を行い,その解析結果を報告することで現場での一助となることを目的としている.ここでは,Javaプログラムを解析が容易なJavaML形式へと変換し,それを用いてクラス設計メトリクスの測定を行うツールを開発している.そして,そのツールを用いてJava2 SDK 1.3.1付属の508個のJavaプログラムの測定を行い,対象クラスの9割が含まれている範囲とそうでない範囲との境界値を各メトリクスの閾値として抽出している.これを用いることで,Java言語で書かれているクラスの設計品質を客観的に評価するための一種の指標が提供でき,ソフトウェア設計・開発の一助とすることが可能である.
一般社団法人情報処理学会の論文
2002-12-15