766. 非造礁性サンゴ Dendrophyllia japonica Rehberg 骨格中の酸素・炭素同位体組成
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概要
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石川県七尾市百海東方約10km・水深140mの地点からドレッジされた非造礁性サンゴの一種Dendrophyllia japonica Rehberg骨格中の酸素・炭素同位体比(^<18>O/^<16>O・^<13>C/^<12>C)を求めた。その結果, 炭素同位体比の変動がほとんど見られないのに対し, 同一coralliteの成長方向に沿って酸素同位体比の周期的変動が明らかになった。δ^<18>O値の変動巾は1.2〜1.9‰で, 周期性にみられる各ピーク間の距離は23〜24mmであった。このことは, 非造礁性サンゴ骨格中の酸素同位体比の温度依存性から, 生息環境における水温の季節変化を示すと考えられ, 周期性にみられた各ピーク間の距離から採集地付近の同種のサンゴの成長率が20mm/yr以上に達すると結論できる。また, coralliteの最先端部における酸素・炭素同位体比がともに上記の周期性にみられた変動巾をこえて, 著しく低いδ値を示すことが明らかになった。この事実から, とくに成長の最前線でサンゴ固有の代謝作用で作られる, いわゆるmetabolicな酸素および炭素がさかんに取込まれていること, またサンゴ骨格の石灰化過程で, 導入される酸素・炭素のうち, 海水中の重炭酸イオン(HCO^-_3)由来のものとmetabolicなものとの割合が変化するように思われる。
- 1983-09-30
著者
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