「点」考
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概要
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本稿は,「点」という名詞が一種の形式名詞としていかに使われるかということについて,語構成レベルも含めた名詞としての意味,「こと」節などと比較される名詞節の用法,さらに,「その点で(一種の理由)」「その点(一種の対照)」など,特異な接続関係の表示など,様々なレベルにわたって検討する。その結果,「点」の持つ「極小性」と「位置表示」という特性が,情報内容なども含む「部分」の表示としての用法になり,さらに,それが「特性」を焦点として取り出す用法になっていることが明らかになった。これは,他の形式との関係を説明するほか,テクストレベルでの一般論と個別論といった構造や特性に着目した接続関係(判断理由の提示や対照)なども説明するものである。こうした文法形式化の背景として,論理を空間化してとらえるという認識構造が伺える。
- 2000-06-30
著者
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