ラット48hr Homologous Passive Cutaneous Anaphylaxis (PCA) に及ぼす麻黄附子細辛湯および構成生薬成分の影響

概要

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麻黄附子細辛湯および構成生薬エキス, さらにephedrineのラット48時間homologous passive cutaneousanaphylaxis(PCA), ならびにhistamineおよびserotoninによる皮内反応に及ぽす影響について検討した. 麻黄附子細辛湯100〜1000mg/kgの反応惹起1時間前の経口投与は, PCAを用量依存的に抑制もしくは抑制する傾向を示した. 一方, 本方剤の1OOOmg/kgの反応惹起1時間前の経口投与はhistamineによる皮内反応を有意に抑制し, serotoninによるそれに対しても弱いながら抑制する傾向を示した. 麻黄附子細辛湯の構成生薬では, 麻黄のみがPCAを有意に抑制し, その抑制の大部分は1-ephedrineによることが示唆されたが, 1-ephedrineはhistamineによる皮内反応に対しては若干の抑制傾向を示すにすぎなかった. 以上の成績から, 麻黄附子細辛湯は, ラットの48時間PCAを抑制し, その抑制の大部分はmediator遊離の抑制によるものと考えられ, 一部には遊離したmediatorに対する桔抗作用も加味されていることが示唆された. また, 本方剤の抑制作用に麻黄は大きく関与し, 麻黄成分中の1-ephedrineがこの効果に大きく寄与していたが, さらに麻黄中の未知成分による抑制作用も加味されていることが強く示唆された.
日本アレルギー学会の論文
1995-09-30