マクロライド療法施行症例における副鼻腔粘膜の免疫グロブリン陽性細胞
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概要
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マクロライド療法の有効性とその作用機序を探る目的で, マクロライド療法を施行した慢性副鼻腔炎症例の鼻茸および篩骨洞粘膜にたいし免疫グロブリン染色を施し, 以下の結論をえた. 1) 副鼻腔粘膜下組織には多数のIgA, IgE陽性細胞が観察されたが, IgG, IgM陽性細胞数は前2者に比較すると, 一般に少数であった. 2) マクロライド投与前に, IgA陽性細胞数の多い症例ほどマクロライド療法の有効性が高く, 投与後には有意にIgA陽性細胞の減少が観察された. 3) IgE, IgM陽性細胞数の有意な変化は認められなかった. IgG陽性細胞はやや増加する傾向が認められた. 4) IgA/Eは,マクロライド療法後に有意な減少を示し, 対照群に比べても有意に低値であった. これはマクロライド療法有効例においてより明らかであった. 5) IgA/Eは,好酸球優位の症例で優位に低値を示した. 以上の結果より, マクロライド療法は好酸球やIgEの関与する1型アレルギー性炎症以外の慢性炎症を抑制するものと考えられた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1996-01-30
著者
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