成人喘息における IgG サブクラス抗体に関する研究 : 第1報血清中抗原特異的 IgG サブクラス抗体と遅発型気道反応の関連について

概要

論文の詳細を見る
非アトピー型喘息や中高年発症型難治性喘息の機序に IgG 抗体やリンパ球の関与が想定されているが, 各病型の発作モデルと考えられる遅発型気道反応と抗原特異的 IgE 及び IgG サブクラス抗体との関連性を検討した. (1) ハウスダスト・ダニあるいはカンジダ喘息患者の血清中抗原特異的 IgG 抗体とそのサブクラスを測定するため avidin-biotin ELISA 法を確立した. (2) 抗原特異的総 IgG, IgG サブクラス抗体についてはハウスダスト・ダニ及びカンジダ共に LAR を有する症例は IgG, IgG1 抗体が有意に高値を示し, 特にカンジダにおいて顕著であった (p < 0.01). (3) なお抗原特異的 IgE 抗体については, ハウスダスト・ダニによる LAR 症例は IAR 群に比して低値の傾向であった. カンジダによる LAR 症例では IgE 抗体は全例で陰性であった. 以上, ハウスダスト・ダニまたはカンジダ抗原吸入後に惹起される LAR の機序に抗原特異的 IgG 抗体, 特に IgG1 抗体の関与が示唆された.
日本アレルギー学会の論文
1991-05-30