Flow-Cytometry法によるヒト好酸球の分離精製とその基礎的検討
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概要
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好酸球の自家蛍光現象を応用したflow-cytometry (FCM) 法によりヒト末梢血から好酸球を分離し, その細胞機能に関する基礎的検討を行った。FCM法により健常人 (末梢血好酸球6%未満) から分離された好酸球の純度は90.1±4.2%, 回収率は32.1±7.6%で, 好酸球6%以上のアレルギー疾患患者からは各々93.7±4.4%, 37.2±7.5%であった。また分離好酸球のviabilityは91.3±3.1%であった。好酸球比率が6.5%の気管支肺胞洗浄液から分離した好酸球の純度は76%, 回収率は30%であった。分離した好酸球の遊走能は, platelet activating factor (PAF) に対して10^<-6> M濃度でpeakとなり, interleukin-5 (IL-5) に対しては濃度依存性に増加し, 1μg/mlでplateauとなった。なお, 喘息患者の両物質に対する遊走能は健常人に比していずれも有意に亢進していた。以上, 本法により健常人末梢血からも傷害性の少ない高純度の好酸球が得られたことから, 本法は好酸球を用いるアレルギー学的検査や研究における被検細胞の供給に有用な方法と考えられた。
- 日本アレルギー学会の論文
- 1993-04-30
著者
-
谷本 安
岡山大学第2内科
-
高橋 寿保
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器科
-
木村 郁郎
岡山大学第2内科
-
木村 五郎
岡山大学第2内科
-
片木 幸恵
岡山大学第二内科
-
岡田 千春
岡山大学第2内科
-
宗田 良
岡山大学第2内科
-
高橋 清
岡山大学第2内科
-
高橋 寿保
岡山大学第二内科
-
武田 勝行
岡山大学第2内科
-
河田 一郎
岡山大学第二内科
-
角南 宏二
岡山大学第2内科
-
河田 一郎
岡山呼吸器疾患研究会
-
片木 幸恵
岡山大学 第2内科
-
角南 宏二
住友別子病院
-
中東 廣志
岡山大学第二内科
-
武田 勝行
National Jewish Health Denver Co.
-
片木 幸恵
岡山大学第2内科
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