野生ハチ過敏の皮膚反応およびRASTによる診断の検討

概要

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ハチ刺傷による過敏症は主として即時型アレルギー反応による.野生ハチ過敏症者群と正常者群について, wasp, yelow jacket および honeybee の毒抗原を用いて掻皮反応, 皮内反応を行い, ハチ過敏症の診断に適切な抗原濃度を求め, また, RAST により血清中抗体を検索し, さらに各ハチ毒抗原間の共通抗原性について検討を行った.1) 掻皮反応:3種のハチ毒抗原で1000μg/ml濃度による反応は正常者群では全例陰性で, 過敏症者群ではほとんどの例で陽性であった.2) 皮内反応:3種のハチ毒抗原で1.0μg/ml濃度での結果は過敏症者群と正常者群をよく分離した.正常者群では全例陰性であり, 過敏症者群における wasp および yellow jacket 毒に対する陽性率は弱陽性者を含めると100%および93.3%の高い陽性率を示した.honeybee を用いての陽性率は40%と低かった.3) RAST:過敏症者群では wasp 毒60%, yellow jacket 毒73.3%と高い陽性率を示し, RAST 陽性者は皮膚反応陽性者であった.honeybee 毒に対しては陽性率13%にすぎなかった.4) 皮内反応において wasp 毒と yellow jacket 毒との間には有意な相関がみられ共通抗原性の存在が示唆された.および yellow jacket 毒と honeybee 毒との間には有意な相関はみられなかった.
1983-09-30