Dapsoneの薬理作用に関する研究 : Colchicine及びCatalytic Scavengersの活性酸素減産作用との比較について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
dapsone(DDS)は, 好中球(PMNL)がその発生病理に重要な役割を演じていると考えられているdermatitis herpetiformisやimmune complex diseasesに非常に有効であると言われている.そこでわれわれは, 非常に強力な淡症因子として近年注目されてきた食細胞の産生する活性酸素(OI)に対するDDSの影響を知ろうとして, ヒトPMNLおよびxanthine-xanthine oxidase systemにおいて, OI(O^-_2, H_2O_2, OH・, chemiluminescence)を産生させ, DDSおよびcolchicine, 6種のcatalytic scavengersをdose responseに加え, それぞれのOI値に与える変化を, DDSを中心に各薬剤に比較検討した.結果, 他の多くのscavengersにみられたのと同様, また同程度に強力に, DDSにO^-_2以外のOIの強力な除去作用が認められた.われわれは, 実験当初, O^-_2は若干増加させ, 他のOIは著明に減少させるDDSの作用は, 薬剤のSOD activity抑制作用によるものかと推測したが, PMNL系のみならず, SODや細胞の含有されていないxanthine oxidase systemにおいても同様の現象が認められたことより, その可能性は否定された.OH・のあるいはOH・と ^1O_2両者のscavengersにもO^-_2の軽度の増産作用が認められることから, DDSは, H_2O_2, OH・および^1O_2のscavengersの作用を兼備した作用を有するものと結論づけられた.colchicineは, xanthine系で産生されるOIは減少させず, PMNL系のOI産生のみを低下させることから, そのOI減産作用は細胞代謝障害性に基因するものと考えられた.DDSの抗炎症作用は, colchicineのそれと異なり, 抗原刺激により機能亢進した食細胞より増産されたOI中の強力な作用を有するOH・, ^1O_2を除去して, autooxidative damageより生体を保護することによるものと推測された.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1982-10-30
著者
関連論文
- 消化管からみた小児の食物アレルギー : 特に食物過敏性腸症について
- ヒトB細胞活性化機序に関する研究 : III.SAC刺激B細胞の抗体産生細胞への分化を促すT細胞因子のアッセイ法とその産生T細胞サブセット
- ヒトB細胞活性化機序に関する研究 : I.B細胞増殖因子(BCGF)アッセイ法の確立とBCGF産生T細胞サブセットの同定
- ヒト好中球およびリンパ球の膜リン脂質のメチル基転移酵素活性の測定法についての検討
- 245.川崎熱(MLNS)患者にみられる活性化好中球によるauto-oxidative damageについて(白血球)
- 187 白血球膜 phospho lipidsの Ethanolamine base-exchange reactionの細胞活性化への意義について
- 94 非即時型食餌アレルギーを呈したダウン症候群の乳児2例の免疫病理学的検討
- 3.肺癌患者における補体の臨床的検討 : 第19回肺癌学会中国・四国支部
- 最新の知見, "cytokine の正しい測定法について"
- 酸素障害と生体の防御機構
- 523 紫外線, 活性酸素, suntanの相互関係とscavenging enzymeの動態
- 細胞膜の動態と炎症--食細胞(主として好中球)の"JekylとHyde"反応について
- 活性化した好中球のauto-oxidative damageについて
- Behcet病患者にみられるAuto-Oxidative Damageについて : 増加した活性酸素産生能の測定と内皮細胞障害性に関する実験
- 210 好中球より分泌されるリンパ球抑制因子に関する研究(白血球)
- 203 Dapsonの抗炎症作用に関する研究 : Scavenger様作用によるanti-neutrophilic functionについて(白血球)
- 206.common viral diseases にみられる免疫不全(免疫不全)
- 106.自己免疫疾患発生病理に関する研究 : NZB mouse の MLC, cell-mediated cytotoxity test による chimerism の証明(自己免疫2)
- 18.反復性ブドウ球菌感染症に好酸球増多, 高IgE血症を伴つた乳児の1例(免疫不全症候群)
- 14.風疹患者にみられる免疫異常(免疫不全症候群)
- 18.CBAの脂質および脂肪酸代謝について術後の栄養管理特に脂肪酸代謝の改善の重要性について(第8回胆道閉鎖症研究会)
- 186 Beige mouse好中球における4種類の活性酸素産生能の解離現象について
- 446 ヒト好中球におけるPlatelet Activating Factor(PAF)産生能の測定。whole cellとmembrane fractionの検討。
- 445 Glucocorticosteroldの炎症細胞への反応時に見られる発光作用について
- 386 ある種のnatural products, 漢方剤にみられるscavenger作用を兼備した好中球・リンパ球賦活作用
- 385 加齢と好中球機能, lipidperoxide値およびSOD活性
- 免疫増強剤(BCG, Picibanil, Levamisole)および丸山ワクチンの活性酸素産生能を中心とした好中球機能におよぼす影響について
- Dapsoneの薬理作用に関する研究 : Colchicine及びCatalytic Scavengersの活性酸素減産作用との比較について
- 241.免疫増強剤(BCG, Picibanil, Levamisole)および丸山ワクチンの活性酸素産生能を中心とした好中球機能におよぼす影響について(白血球)
- 148 先天性胆道閉鎖症(CBA)におけるs-IgA値について
- 41 薬剤性ループス患児の補体系について
- 小児の免疫性疾患におけるs-IgA値 : 第2編 気管支喘息患児の唾液中s-IgA値について
- 小児の免疫性疾患におけるSecretory IgAについて : 第1編 アナフィラクトイド紫斑病における血清中のSecretory IgA値
- 遠赤外線焙煎,発酵,油剤化した天然抗酸化剤および制癌剤の自己免疫疾患患者 Steroid 漸減補助効果
- 442 NODマウスにみられるlipidperoxide値と, glutathione peroxidaseおよびSOD活性の変動
- Systemic lupus erythematosus (SLE)およびBehçet病などの疾患患者好中球にみられる活性酸素およびライソゾーム酵素産生分泌能に関する研究
- Rheumatoid arthritis (RA)患者関節液のstimulated-neutrophilsのもたらすリンパ球および組織に対するauto-oxidative damageについて
- 遠赤外線放射体のヒト白血球機能,過酸化脂質値,マウス移植癌,ラット薬物肝炎および慢性関節リウマチ患者に及ぼす影響
- 170 当院入院重症アトピー性皮膚炎(AD)患者二千例の生化学的および疫学的検討
- 44 活性酸素による組織蛋白の破壊・修飾がアトピー性皮膚炎の抗原提示の亢進やアレルギーをもたらしている
- 活性型SODの臨床応用(第148回北里医学会招待学術講演会要旨)
- Immunological Studies of Aging:II. Age-related Changes in Natural Killer Cell Activity