小児の免疫性疾患におけるSecretory IgAについて : 第1編 アナフィラクトイド紫斑病における血清中のSecretory IgA値
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概要
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アナフィラクトイド紫斑病(AP)の血清s-IgA値を明らかにするために, 著者は12例のAP患児および8例の健康小児の血清中のIgA値およびs-IgA値をそれぞれSRID法およびRIA法により測定し, それらの値と腹部症状との関連について検討した結果, 以下の成績を得た.1)健康小児(対照)の血清IgA値およびs-IgA値はそれぞれ125±40mg/dl, 0.85±0.28mg/dlであった.2)AP患児の血清IgA値は12例中8例で高値を示し, 回復期に低下した.3)腹部症状のない症例の血清s-IgA値は急性期および回復期ともに対照値と差が認められなかった.4)腹部症状のみられた症例について, a)下血のない症例の血清s-IgA値は急性期および回復期ともに腹部症状のない症例の値に比して差が認められなかった.b)下血のみられた症例の血清s-IgA値は病初期著明に高値で, 対照値および回復期の患児の値に比して有意の差が認められた(p<0.001).5)APの血清IgA値と血清s-IgA値との間に有意の相関は認められなかった.以上より, 血清中のs-IgA値の増加は消化管粘膜の障害を示唆する可能性が考えられた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1984-03-30
著者
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