鑛物質粒体の熱常数に及ぼす水分の影響
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概要
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水分を含んだ物質の温度傳導率は週期法に依つて求められる事を「湿れる物質の熱常数測定法」(その2)で報告した。即ち鋳型砂を試料として、試料を詰める円筒の寸法、純正弦温度波の週期、振幅、加熱電流等種々條件を変へて実驗し、結果が同一となる事から、週期1mn内外、最大振幅0.3℃程度とすれば水分移動の無い状態で温度傳導率が求まる事を述べた。然し鋳型砂母岩の熱常数が不明であるため、水分による常数の変化を質的に知り得たのみで、量的には知り得ず、母岩及び水の常数を基とする実驗式も導き得なかつた。本文では常数既知の母岩を粉碎して試料とし、鋳型砂の結果に稍普遍性を與へる事を試みた。母岩としては傳熱率の大きい白大理石、中等のスレート、小さい硝子の3種を選んだ。尚材料が湿つた場合、粒の形状、密度により熱常数の変化模様が著しく違ふのを見出したので、特にアスベスト板、セメント板、セメント・アスベスト板を試料として実驗を繰返し、物質が水分を含むに連れ、傳熱率は所謂「並列型」「直線型」「直列型」の3変化をする事を知つた。その物理的内容を説明するため、等温面を假定して3相系の傳熱率を算出したが、或る程度迄変化機構を説明する事が出来た。即ち「並列型」変化は粒間にかなりな空隙があり、その空隙を液膜が連絡して行く場合に現はれ、「直線型」「直列型」は粒間の接触が良く、空隙が点存する時に生じ、後者の空隙は扁平に圧し潰されてゐる。最後に水以外の液体例へば油を鑛物質粒に混じて、この考へを檢證すると共に、実驗式の適、不適を定めた。
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