濕れる物質の熱常數測定法(第 2 報)

概要

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第1報に引續き、週期60s内外、最大振幅0.2℃程度の温度波を使つて、水分の移動を防ぎつゝ温度傳導率を測定する方法を述べた。前報以後、加熱電流斷續の週期を正しく保ち、平均温度を一定に保つ事を主眼として温度傳導率測定裝置を改良し、その精密度を高めた。同時に誤差の諸因(1)温度波が純正弦的で無い影響(2)円柱兩底面の端効果(3)最初温度分布による過渡状態項と水分移動等を計算によつて調べ、その除去法を考へた。唯加熱中の過渡状態項及び温度波の週期、振幅を如何程にすれば、水分の移動を伴はぬかは、實驗的に求める外無いから、気孔に富む鑄物砂を試料として、加熱電流、週期を種々に變へ、乾燥時密度、平均温度を一定に保つて含水率、気孔率と温度傳導率の関係を求めた。傳熱率は比熱、温度傳導率から算出した。總ての實驗結果が良く同一曲線上に乘る事から、水分移動の無い事を確め、鑄物砂の温度傳導率は最初水分を吸着すれば急激に増すが、或る含水率で極大となり、以下水分と共に却つて低下する事を知つた。傳熱率は含水率と共に初め急に後緩かに増し結局乾砂の數倍となる事を求めた。尚乾砂の傳熱率は週期法によらずとも他の比較法、円筒法、投入法で求められるから、實驗精度檢證のため、これ等の方法による値と比較して±4%程度の精密度のある事を知つた。最後に以上の結果が常識的に特異でない事を述べた。
一般社団法人日本機械学会の論文

濕れる物質の熱常數測定法(第 2 報)

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