糖尿病患者の精神身体医学的研究

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概要

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近年医学を精神身体医学的に把握しようとする傾向は目覚しく、疾患を心身両面から把えることが病因論においてのみでなく、治療の面にもきわめて必要かつ重要であることが知られてきた。精尿病の病因としても遺伝、食餌、下垂体・膵臓・その他の内分泌腺因子とともに、精神的因子が重要視されており、一部の学者はこれを誘発因子あるいは増悪因子と見做し、その経過や予後の良否に重大な影響を及ぼすことを指摘している^<1)2)>。すなわちClaude Bernardによる間脳穿刺後の糖尿、あるいはCannonによる猫の亢奮時における糖尿の証明、スポーツ選手の試合後の糖尿の出現、また睡眠術による血糖の変化など、血糖調節および糖排出におよぼす中枢性、精神性影響はすでに明らかである^<3)>。一方糖尿病患者においてはその疾患の性格上精神障害を合併することは臨床上しばしば経験されるところである。われわれは糖尿病患者を精神身体医学的立場から解明しようとして2・3の検討を行なった。

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