ヒラツメガニのゾエアの発生
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概要
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1979年5月,遠州灘の水深約30mの砂底に設置した刺網によって,シワガザミ亜科MacropipinaeのヒラツメガニOvalipes punctatusの抱卵個体を採集した。実験室において,孵化したゾエアI期からアルテミアのノープリウスを餌料として与え,メガロパ幼生まで飼育した。その間,ゾエア期の数は6期であった。得られたゾエア各期の外部形態を詳細に記載するとともに,本種ゾエアを,既に報告された同亜科のOvalipes ocellatus, Bathynectes superba,およびMacropipus marmoreusなどの幼生との間で比較した。おもな類似点は,3種類の甲棘を備え,小顎Iの内肢毛式4・3(7),顎脚Iの内肢節IV-Iの毛式2-1-2-2などである。一方,これら4種のゾエア幼生は,ゾエア期に関係なく,触角II型・小顎IIと顎脚IIの各内肢毛式・腹節の側瘤などによって識別できる。即ち,B. superbaは小顎II内肢毛式5・3(8)であるのに対し,他3種は4・3(7)である。また,後者のうちで,Ovalipes2種は触角IIがB_4型,顎脚II内肢毛式が4-1-1などに対して,残りのM. marmoreusではB_5型,5-1-1である。さらに,Ovalipes2種のうち,O.punctatus(本種)は腹部II・IIIに側榴を備えるが,O. ocellatusでは腹節II〜Vに存する(Table 1)。
- 1980-12-25
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