トゲイトマキヒトデの発生
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概要
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トゲイトマキヒトデAsterina coronata japonicaで人工受精をおこない,卵から稚ヒトデまでの発生道程の概略を観察した。成熟卵は浮遊性,直径420μ,不透明緑灰色で,厚さ10μのジエリー層を有する。25℃において加精の1時間半後に第1卵割がはじまり(Fig. 1),その後胚は全等割をおこない,6時間半後に皺胞胚期に達する(Fig. 5). 13時間後の皺胞胚終期に原口が形成される(Figs. 8 a, b).14時間半夜に初期のう胚は受精膜内で回転をはじめ,その30分後に孵化がおこる。孵化の8時間後にのう胚は成長し,幅がそれぞれ450μ,375μに成長し,ほぼ長楕円体を呈する(Fig. 10).加精の50時間後のブラキオラリア幼生は短いブラキオラリア腕を有するダルマ形である(Fig. 13).変態の際に幼生は底質に付着せず,幼生のdiskにはヒトデの五角形の原糸が生じ(Figs. 16a, b,c),幼生器官のstalkは萎縮,退化する。変態は加精の20-40日後に完了し,変態直後の稚ヒトデは淡黄色,直径900μで,各腕に2対の管足,末端触手,赤い眼点を有する(Fig. 20 a).また,この稚ヒトデの背方には1個のcentral plate,大きな5個のinterradial plate,小さな5個のradial plate, そして容貌にはterminal plateが発達している(Figs. 20 b, c).
- 日本動物分類学会の論文
- 1975-10-30
著者
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