英国における精神的無能力者の治療の中止と差し控えについて
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概要
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英国において2000年10月6日に、高等法院の判事エリザベス・バトラースロス(Elizabeth Butler-Sloss)は、二人の遷延性植物状態(PVS)女性患者の人工栄養および水分補給の停止に関して患者の利益を考慮し許容するという判決を下した。それは10月2日に施行された1998年制定の人権法(Human Rights Act 1998)に基づくものであるが、その適用をめぐり医師が生と死の間にある患者の生命維持装置を停止することを許容しうるか否かが注目されていた判決であった。本報告は、こうした現状にいたるまでの英国における精神的無能力者の治療の中止と差し控えについて考察すると共に、大法官省が21世紀初頭には「精神的無能力者法」を制定させ、それに伴う制度的改革を進めようとしている現状を報告するものである。
- 日本生命倫理学会の論文
- 2001-09-17
著者
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