英国における治療の中止と差し控えについて
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概要
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1767年のSlater v.Stapletonの判決以来、判例の積み重ねにより、次の原則が確立した。*自己決定による健常者の治療の中止および差し控えは許容される。*無能力者に関しては医の慣行に照らし合わせ、かつ患者の最良の利益を考慮して決定される。英国では、死ぬ権利は認められないが、能力があり治療に対する同意がある場合の治療の中止、および差し控えの自己決定権は確立されている。その自己決定が結果として生命の終結を早めさせようとも、それは許容されている。一方、精神的無能力者の医療上の決定に関しては、現時点においても意見公募が続けられている。本論では、1.事例を通して形成された原則、2.司法および行政の見解、3.英国医師会の見解について考察し、治療の中止および差し控えの法制化についての検討を試みる。
- 日本生命倫理学会の論文
- 1999-09-13
著者
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