妊娠末期における正常妊婦の血中β-hCG,hPL,freeE_3の同時測定による各hormonesの動態,各hormonesの相関関係,各hormonesと出生体重および胎盤重量との相関関係について
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概要
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妊娠末期における,正常妊婦の血中β-hCG値の測定と同時に,hPL値とfreeE_3値の測定を,RIA Kitを使用して行なった.3種類の各hormones値の動態,各hormones値間の相関関係,各hormones値と出生体重および胎盤重量との相関関係を検討した.規則的た月経周期が25から35日型の正常妊婦27名(検体数:155)を対象とし,同一妊婦より妊娠32週から分娩に到るまで,正確な妊娠週数毎に連続して,母体肘静脈より採血した.1)母体血中β-hCG値は,妊娠経過と共に増加の傾向を示し,妊娠37週で9.2IU/mlのpeakを示し,以後低下の傾向を示した.2)母体血中hPL値は,妊娠経過と共に有意の(p<0.05)増加を示し,妊娠38週で7.3μg/mlのpeakを示し,以後漸減の傾向を示した.3)母体血中freeE_3値は,妊娠経過と共に有意の(p<O.05)増加を示し,妊娠41週で23.4ng/mlを示した.4)3種類の各hormones値問の相関関係では,β-hCG値とhPL値間に(p<0.001),hPL値とfreeE_3値間に(p<0.01),β-hCG値とfreeE_3値間に(p<0.05)のそれぞれ有意のpositiveの相関が認められた.5)各hormones値と出生体重および胎盤重量との間での相関関係では,出生体重とfreeE_3値問にのみ,有意の(p<0.001)のpositiveの相関が認められた.胎盤重量では,各hormones値間に有意の(p<0.001)のpositiveの相関が認められた.以上の結果,妊娠末期における,正常妊婦の血中β-hCG値は,hPL値とfreeE_3値問に相関関係を有し,各homonesは,出生体重と胎盤重量に,密接に関連していることが示唆された
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1983-10-01
著者
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