SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動による妊婦,褥婦および濟帯血血清蛋白の検討

概要

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Sodium dodecyl sulfate-polyacrylamide gel electrophoresisを用い,正常非妊婦22例,妊婦79例,産褥1ケ月の褥婦9例,膀帯血19例で,血清蛋白の分子量よりみた変化を検討し,以下の結果を得た.1.正常非妊婦群は,分子量(M.W.)28×10^4から2.3×10^4の15分画に分離された.2.妊娠中に有意な変化が認められたのは,帯5(M.W.=18.5×10^4),10〜11(M.W.=8.0〜8.8×10^4),19(M.W.=2.3×10^4)であり,帯5は,非妊婦群1.8±0.5%から妊娠16週以前群で3.0±0.8%と増加し,妊娠21〜24週群までplateauとなり,妊娠25週以後群で非妊婦群の値に低下した.帯10〜11は,非妊婦群10.4士2.0%から妊娠21〜24週群で13.5±1.6%と増施し.以後分娩までplateauとなり,産褥1ヶ月群で非妊婦群の値に低下した.帯19は,非妊婦群2.3±0.7%から妊娠25〜28週群で3.7±1.1%と増加し,以後,分娩までplateauとなり産褥1ケ月群では,1.6±0.9%と非妊婦群に比べ低値を示した.3.臍帯血では,正常非妊婦,妊婦,褥婦の3群に比べ10〜11が5.5±1.5%と低値をしめした.また他群ではみられない帯14(M.W.=4.5×10^4),15(M.W.=3.8×10^4),22(M.W.=1.6×10^4)がみられた.帯1〜4(M.W.≧21×10^4)は認められなかった.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1980-10-01