子宮頚癌の放射線感受性 -とくに感受性の組織学的判定基準について-
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概要
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子宮頚癌の放射線感受性の良否を予知しその後の治療法の選択がなされるならば極めて理想的なことである. 1) 80例の子宮頚癌に対し, 原発巣に試験的にテレコバルト 1,000Rを照射し, 7日目の組織像について感受性の判定を行なった. 一定線量, 一定期間をおいて組織学的検索を行なうことが必要であり, 1,000R, 7日目の判定という方法は, 充分臨床的に有用な方法である. 2) 従来行なわれている教室の組織学的判定基準をもとにした感受性の良否と予後との間には, かなりの相関性が認められた. 一方では或る程度の gap が認められ, それらに対する意味づけについてもふれた. 3) 50例の子宮頚癌について間質反応と感受性との関係を検討した. 良好群は毛細血管に富む豊富な肉芽形成と, 多彩な急性滲出性炎が認められ, 癌巣に見られる病変は急性壊死性炎と表現しうる変化を呈した. 4) 以上腫瘍実質と腫瘍基質における変化を総合して, 教室における線感受性の組織学的判定基準を設定した. 即ち良好基準として腫瘍実質に起こる変化は, (i) 癌細胞の腫大・変性が著しく, びまん性である (ii) 癌巣の縮小が著しい (iii) 癌巣基底部に viable cell, normal mitosis が少ないなどである. 一方腫瘍基質の変化として (i) 好中球, 好酸球, 組織球, 肥満細胞が多い (ii) 豊富な毛細血管を有し, 網状の新鮮な肉芽形成をみる (iii) 癌巣基底部の破壊と癌巣の細分化が著しい点などである.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1974-11-01
著者
-
塚原 嘉治
信州大学医学部産科婦人科
-
塚原 嘉治
信州大学医学部産婦人科
-
岩井 正二
信州大学医学部産婦人科
-
塩沢 久要
信州大学医学部産科婦人科学教室
-
塚本 隆是
信州大学医学部産科婦人科学教室
-
曽根原 衛雄
信州大学医学部産科婦人科学教室
-
野口 浩
信州大学医学部産科婦人科学教室
-
冨田 和彦
信州大学医学部産科婦人科学教室
-
小谷 俊郎
信州大学医学部産科婦人科学教室
-
塚本 隆是
信州大
-
小谷 俊郎
国立松本病院産婦人科
-
塩沢 久要
信州大学
-
塩沢 久要
信州大学 産婦人科
-
岩井 正二
山梨医科大学
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