Gas chromatographyによる血中Estriol定量法
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概要
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胎盤機能検査や切迫流産における胎児の予後の判定等の目的で尿中estriol (Et)が測定され臨床的に応用されてきた. しかし24時間尿を蓄尿することはわずらわしく, 腎機能にも影響される場合があり, これらの欠点を補うため血清Etを測定する必要があつた. しかし従来の比色法によつて血清Etを測定するには大量の血液を必要とした. 我々はgas liquid chromatographyを用いて少量の血液によつて血清総Etを定量する一方法を考擦したので報告する. 血清を塩酸で加水分解し, pHを調整しエーテルで抽出し, Benzen : Hexan (1:1)混合液を用いて大部分の脂肪を分離し, 薄層chromatographyで精製した. 薄層chromatographyは酢酸エチルで展開しEtの存在部位を剥離し酢酸エチルで抽出し, 窒素ガスを吹き込みながら蒸発させ, 薄層シリカゲル中の不純物を分離するためさらにエーテルでEtを再抽出した. 次でheptafluoro-butyric anhydrideでEtをハロゲン化してelectron capture detector付gas chromatographで測定した. 保持時間15分30秒にEtのpeakを同定することができ, 感度は0.2mμgまで測定可能である. 回収率は測定に要した時間によつて変動し, 4日間で測定すると39%である. 再現性は良好であるが, 測定に4日間を要すことや, 非妊婦のEtは未だ測定できぬ事等に若干の問題があると思われる. 正常妊婦の肘静脈血中Et値は妊娠の経過と共に増加し, 妊娠10カ月で約30μg/dlである.
- 1971-11-01
著者
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野嶽 幸正
昭和大学医学部附属藤が丘病院 産婦人科
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野嶽 幸正
昭和大学医学部附属藤が丘病院
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鈴木 仁一
昭和大学医学部産科婦人科学教室
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野嶽 幸正
昭和大学 医学部産科婦人科学教室
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野嶽 幸正
昭和大学医学部産科婦人科学教室
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