尿中Estrogen,Pregnanediol/Creatinine比測定の卵巣機能検査法としての有用性

概要

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卵巣機能のより簡便かつ客観的把握を目的として,早朝尿中のestrogen,pregnanediolを測定し,各方の排泄量をcreatinine比(E/C,P/C)で表現することにより,その臨床的有用性を検討した.対象は14名の正常月経周期を有する健常ボランティア,および排卵誘発を目的としてクロミッドを投与した不妊症患者4名の合計20周期とし,radioimmmoassay法により早朝尿中のtotalestrogensおよびpregnanediolを測定して各々creatinine比を算出し,同時に24時間尿を用いた成績と比較検討した.一時尿によるspotE/C,spotP/C比は,同時に測定した24時間尿中のtotal estrogens,pregnanediol排泄量と高い相関を示した.即ちtotalestrogens(μg/24hr)=0.89spotE/C(ng/mg/ml)+0.21,r=O.924,p<0.01,pregnanediol(mg/24hr)=1.28spotP/C(μg/mg/ml)-0.37,r=O.791,p<O,01であった.この結果早朝一時尿によるE/C,P/C比測定は,卵巣機能をよく反映することが明らかとなり,患者に負担を与える24時間全尿の採取は必ずしも必要でないことが結論づけられた.さらに従来日常臨床で用いられている基礎体温法は,客観的かつ正確た卵巣機能検査法としては,改めて評価しなおすことが必要と考えられた.
1984-03-01