妊娠免疫に関する研究リンパ球細胞膜における、HCGの局在について
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概要
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妊娠免疫機構の解明の目的にて, 我々は妊婦末禅血中のリンパ球 subpopulationの検索を行い, 1st trimester で E-rosett 法によりT-cell発現率の低下と, それがmasking現象により惹起されていることを認め報告している.今回このmasking factor を解明する為に1st trimesterに母体血清中濃度が高値を示し, またin vitroの実験系で免疫抑制効果を示すと蔀告されている.HCGに注目し酵素抗体法による検索を行つた.検索対象は妊娠10週及び12週の妊婦で, 非妊婦及び男性を対照とし, 各々末柏血をヘパリン採血しLymphoprepによる比重遠心法でリンパ球を分離し検体とした.酵素反応は, まず分離リンパ球PBS浮遊液をガラス板上に塗抹し, 空気乾燥4%PLP液にて15分間固定を行つた.反応後2% gulutal aldehyde で10分間後固定し, その後 Karnovsky法により発色させた.用いた抗体は, (1)HRP-anti human α-HCG rabbit Fab', (2)HRP-anti human β-HCG rabbit Fab', (3)HRP-anti human nativ-HCG rabbit Fab'であり, stainning control として(4)HRP-N rabbit serum, (5)HRP-anti rabbit IgG goat F(ab)_2, を用いた.妊娠例のα-HCG, β-HCG, N-HCG抗血清との反応群では, リンパ球細胞膜に反応産物の茶褐色の発色が認められHCGの局在を証明しえた.反応陰性のリンパ球の存在や反応陽性のリンパ球でも発色に強弱の差が認められ, HCGの局在に量的な差があることを示しえた.対照群, 及び妊娠例の stainning control 群では反応は全く認めなかつた.リンパ球細胞膜に局在するHCGは他の因子と競合結合による結合阻害や細胞膜 receptorのbrock等により, リンパ球機能を抑制し妊娠維持に合目的な変化を惹起しているのではないかと推定される.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1981-01-01
著者
-
小沢 敦
東海大学医学部徴生物学教室
-
渡辺 慶一
東海大学医学部病理学教室
-
渡辺 慶一
東海大学医学部基盤診療系病理診断学
-
渡辺 慶一
東海大学医学部診断系病理学部門
-
渡辺 慶一
東海大学医学部・外科2・病理
-
塩塚 幸彦
東海大学医学部産科婦人科学教室
-
小林 一夫
東海大学医学部産科婦人科学教室
-
山内 進
東海大学医学部共利研微生物
-
小沢 敦
東海大学医学部微生物
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