持続腰部硬膜外麻酔分娩における血中Mepivacaine濃度に関する研究
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概要
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Mepivacaine(Carbocain R)の高感度,高精度な血中濃度測定法を新たに開発し,持続腰部硬膜外麻酔による無痛分娩例と手術例において,初回注入,追加注入後の経時的血中濃度推移,局麻中毒発症時の血中濃厚,分娩時の母体静脈血および膀帯動静脈血濃度を測定し以下の成績を得た.1)mepivacaine 100mg注入後の母体静脈血中濃度の推移は,5分後には母体血中へ出現しO.97±0.07μg/ml(M±SE)となり,15分後に1.38±0・13μ9/mlのピーク値を示し,以後,漸減して60分後では,0・96土0.09μg/mlであった.2) 追加注入 (60分後,同量) 後の血中濃度の推移は,初回注入と同様にピークは15分後に認められ2.23±0.18μg/mlの値を示し,60分後は1.78±0.27μg/mlとなり,累積的濃度変動が認められた.3) mepivacaine 200mgを注入した手術例においては,2分後には血中濃度は0.63±0.02μg/mlとなり,15分後に3.02土0.30μg/mlの最高値を示し,以後,緩除に減少し60分後の値は2.10±0.15μg/mlであった.4) 無痛分娩例においては局麻中毒の症状は認められなかった.手術例においてminor intoxicationを認めた6例の平均血中濃度は5.17μg/mlであった.5) 注入量別にみた分娩時の母体静脈血,臍帯静脈血,臍帯動脈血中濃度は,いずれも400mg注入までは注入量に応じて直線的に上昇し,それぞれ一次回帰式で示された.6) 胎盤通過性については,注入量に関係なく,臍帯静脈血中濃度と母体静脈血中濃度の比は0.53土0.02と一定の値をとり,母児間に平衡関係が認められた.なお,臍帯動脈血中濃度と母体静脈血中濃度の比も同様に注入量に無関係に0.41土0.02と一定の値を示していた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1979-06-01
著者
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