子宮筋腫由来細胞の初代培養の確立

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子宮筋腫に対する薬物療法の確立と子宮筋腫の発生病理の解明を目的として、in vitroでの実験を試み、子宮筋腫由来細胞の初代培養を確立した。筋腫組織を細切後trypsin処理にて浮遊細胞にした後、初代単層培養された細胞は4代迄継代可能であった。培養された細胞が子宮筋腫由来である事を証明するために、酵素抗体法にて、desmin染色を行った。比較対照のため、同様な方法で子宮筋層由来細胞の初代培養も確立し、同様にdesmin染色を行った。子宮筋腫由来培養細胞がmyoblastである事を証明するために、子宮筋腫由来培養細胞のfibroblastのみを選択的に培養した。Myoblastと思われる細胞は紡錘形を示し、fibroblastと思われる細胞は、培養フラスコの底面にひろく伸展する多角形の細胞形態を示した。子宮筋腫由来の分散細胞0.2ml(8×10^4コ)を直径35mm dishに植え込み、growth curveを描いたところ、5日目頃より対数増殖するのが認められた。底面積25cm^2のculture flaskに0.2ml(2×10^5コ)の浮遊細胞を植え込み、週2回のmedium changeにて、コロニー形態を観察したところ、コロニーの辺縁は不整で遊走した細胞が周辺に多くみられ、個々の細胞形態は紡錘形であった。コロニー形成法にて、対数増殖期に入った分散細胞0.2ml (8.8×10^4コ)を直径60mm dishに植え込み、12日目に固定し、クリスタルバイオレット染色にて観察したところ、辺縁は比較的明瞭で、円形の形態をとり、個々の細胞は、epitherioidになり、その時のplating-efficiencyは0.07%であった。この2種類のコロニーの細胞形態は、子宮筋腫由来培養細胞のheterogeneityと考えられた。
1987-02-01

子宮筋腫由来細胞の初代培養の確立

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