子宮内膜由来細胞に対する初代培養の確立

概要

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子宮内膜に対するホルモンの影響を見るため子宮内膜由来細胞の初代培養を確立した。内膜組織を細切後, trypsinおよびcollagenaseの消化処理にて浮遊細胞にした後, 初代培養された細胞は6代まで継代可能であった。培養細胞が子宮内膜の上皮由来の腺細胞, endometrial stromal cells, およびfibroblastから成り立つことを以下の事実をもって立証した。1. 酵素抗体法によるkeratin染色を施行し, 上皮由来の腺細胞およびendometrial stromal cellsは陽性に, fibroblastは陰性所見を呈した。2. 透過型電顕観察により, 腺細胞は細胞表面にはmicrovilli, 細胞質には豊富な遊離ribosomeが存在し, 明瞭な核には核小体が認められ, 核の辺縁が濃く染色された。細胞同士間にはjunction complex が見られた。endometrial stromal cellsは細胞表面にmicrovilliの存在はなく, 細胞質には微細線維とmitochondria, 分泌顆粒が明瞭であり, 核自体も腺細胞よりはさらに辺縁が濃く染まり切痕も見られた。fibroblastは細胞形態そのものは紡錘形を呈し, その細胞表面に沿った外側に基底膜の構造を欠き細胞同士間のjunction complexは存在せず, 微細線維が細胞の境界および細胞質に存在し, 大きな楕円形の核の染色質は分散していた。
1989-01-01