子宮腔検索へのコンタクトヒステロスコープの応用

概要

論文の詳細を見る
コンタクトヒステロスコープは対象に密着して観察する内視鏡で、鏡径6mmと8mmの2型がある。著者はコンタクトヒステロスコープをパノラマ型ヒステロスコープと併用して、172例の子宮腔観察に応用し、つぎの結論を得た。1)パノラマ型ヒステロスコープで予め観察した後のコンタクトヒステロスコープの正診率は、6mm型で83.3%、8mm型で98.5%であった。2)コンタクトヒステロスコープの観察を先行したさいの正診率は、8mm型で85.3%、61mm型で92、7%であった。後者の正診率の高いのは、経験数の増加によると考えられた。3)コンタクトヒステロスコープがパノラマ型ヒステロスコープに劣る主因は、perspectiveな像を得られないことと内子宮口の直上部に死点を生じ易いことによると考えられる。4)コンタクトヒステロスコープによる診断は子宮内膜ポリープが最も難しく、ついで膨隆軽度な粘膜下筋腫や子宮内膜増殖症であった。IUD、胞状奇胎および子宮内膜癌の診断は容易であった。5)習熟すると6mm型コンタクトヒステロスコープによっても高い正診率が得られ、経産婦では頚管拡張を要しないことが多い点から、外来検査としてきわめて有用であると考えられた。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1987-01-01

子宮腔検索へのコンタクトヒステロスコープの応用

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク