鎖肛を伴った管状型結腸重複症の治療経験
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概要
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肛門から肝彎曲部に到る管状型結腸重複症の女児を報告する.患児は生後2日目に前庭部からの排便に気づかれた.外陰部にはやや前方に偏位した肛門(肛門皮膚瘻)と腟前庭部に瘻孔(肛門前庭瘻)が認められ, 瘻孔造影によりそれぞれ独立した腸管が肝彎曲部で合流することが確認された.この症例に対し, 我々はPosterior Sagittal Anorectoplastyを採用した.肛門前庭瘻は切除し, 重複直腸の隔壁を切離して1つの直腸を形成し, 肛門形成術を施行した.術後1年1カ月の現在, 経過は順調である.管状型結腸重複症は比較的稀な先天奇形であり, その手術法には一定の見解がないが, 低侵襲の手術が選択される傾向にある.本症例も重複症の大部分は放置して直腸と肛門の形成を行ったが, この術式の妥当性については厳重に経過観察してゆく必要がある.
- 日本小児外科学会の論文
- 2005-04-20
著者
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広部 誠一
東京都立清瀬小児病院外科
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東間 未来
東京都立清瀬小児病院外科
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鎌形 正一郎
東京都立清瀬小児病院外科
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林 奐
東京都立清瀬小児病院外科
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鳥飼 源史
鹿児島大学小児外科
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吉田 光宏
東京都立清瀬小児病院外科
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志関 孝夫
東京都立清瀬小児病院外科
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鳥飼 源史
東京都立清瀬小児病院外科
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玉田 一敬
東京都立清瀬小児病院外科
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玉田 一敬
慶應義塾大学医学部形成外科学教室
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玉田 一敬
慶応義塾大学 医学部形成外科
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